2015年
4月
18日
土
faceかそれともfacesか?
英語の仕事をしていると、ついこういう表現をみて考え込んでしまう。職業病です。
”Do not wipe hands or faces."
何かおかしいと思いませんか?
wipe hands は、OK。 手は普通は二つなので。
しかし次が、faces ...ん?
顔がふたつあるのか?(ろくろっ首か)
「これ、どうみても 前がhands なので、後ろもつられてfacesと複数にしちゃったんじゃない?」
英語の名詞って、単数でそのままおいておくことはまずない。前に a とか the などの冠詞とか
your(所有格)などをつけ、なんらかのあしらいをします。
We need an apple for cooking a pie. のように。
複数形にするときは、それらの種類全部、とか、を指すとき。
I like apples. のように。
名詞が単数で、冠詞がつかないケースは、それがもう汎用的に使われる語句であるという認識がある場合。
たとえば、
go to school
by car
by train
など、名詞になんのあしらいもなく、そのまま置いてありますよね。おかしいと思いませんでしたか。
これらは、学校、車で、電車で、という表現は、かなり一般的で、いちいち「誰の」、とか「どの」とか、説明をしなくてもまあわかるだろ、という認識があるためです。
ところが今回の wipe face の件。
顔を拭くという表現は、顔は1つなので、 wipe face となる。
しかし、face の使い方をみると、face to face のような慣用句を除いては、基本は my とか a, the などの接尾語がついています。
なので、わけもなくfaces とするより、ここは所有格 your を使って、
Do not wipe your hands and face.
とするのが、英文としては正しいと思います。
こんな表示板からも英語の世界の面白さに入っていくことができます。
2014年
10月
31日
金
subscription と prescription
英語をしばらく学習してると、調べることがおろそかになって、単語があいまいになったりする・・
たとえば
subscription と prescription
お薬の処方箋はどっち?
・・・
答えは
処方箋=prescription
では、 subscription は
「雑誌の購読」
でした!
これはTOEICの4択問題にも出そうです・・・
覚えておいてください!
2014年
10月
17日
金
promiseとpledgeの違い
今日はpromiseとpledgeの違いについて。
自民党の小渕優子経済産業省大臣(Economy, Trade and Industry Minister) が、使途不明資金について野党の追及を浴びています。数千万円単位ですからえらいことですね。
小渕氏は、答弁で「えーその件につきましては早急にお調べすることをお約束いたします」と言っているわけですが、この「約束する」を見て、8割の日本人は
約束する=promise
を思い浮かべるはず。
上の答弁が英語だとどうなるか。The Japan Newsによれば、次のような英文です:
Obuchi pledged to look into the matter as soon as possible. “Sufficient checks have not been made” on how these groups spent money, she said.
と、pledge を使っています。
promiseとpledge は似ているように思えますが、 promise は約束する、に対し pledge は
誓約する、保証する、つまり、pledge のほうがより決意の固い、またフォーマルな場面で使われる言葉ということです。
A pledge is basically very serious formal promise.
これで感覚がつかめましたか?
この単語を聞くといつも思い出すのは、ミズーリ大学に留学していたころ、寮で顔見知りだった
女の子が、来年からある Solority(女子だけのプライベート寮)に入ることが決まって、得意げに
I’m pledged!
といっていた顔です。
「もう入るって決まったのよー」
(たぶん選考もあるので、さぞ得意げだったなあ)
皆さんも、ときには promise じゃなく、pledge を使ってみましょう!
例: He pledged himeself to love her forever!
2014年
5月
09日
金
coffeeって数えられるのか?
先日、レッスンをしていたときのこと。
「先生、コーヒーくださいってなんて言うんですか?」
「“May I have a coffee?” でいいと思いますよ」
「えっ、コーヒーって数えられないんじゃないですか?」
この生徒さんの質問はとてもいい質問です。確かに一般的に、コーヒーというものの総称として使うときは数えられない名詞(U)ですが、「一杯のコーヒー」という意味で使うときは数えられる名詞(C)になるんです(ちなみにUはUncountable, CはCountableの略)。
英語を習うときは、おそらく 一杯のコーヒー=a cup of coffee と習ったはず。これは厳密にいうと、容器のカップを数えているということなので、冠詞のa はcoffeeにかかっているのではありません。つまりa cup of のあとのcoffeeは物質名詞、Uのcoffee です。
実際、ウエイターさんにコーヒーを頼むときは
“May I have a coffee?”
で十分でしょう。もちろん正確に正確を期すならばa cup of coffee ですが(笑)。
もちろん二人分頼むときはCan we have two coffees? などとなりますが。
こんな生徒さんの素朴な質問に、いつも英語の奥の深さを感じられずにはいません
(ただの理屈っぽい人なのかも)。
2014年
5月
09日
金
buyとpurchaseの違い
先日、ある生徒さんから「buyとpurchaseの違いは?」という質問を受けました。ネットで調べてみると、一通りのことが書いてありますが、それを私なりに、わかりやすくまとめなおしてみたいと思います。
まず、簡単に言うと:
○buyは汎用的に使える「買う」という動詞。少額のものにも高価なものにも使う。金銭の支出に重きを置いている。
○purchaseは交渉などを経て、または大量に買う。こちらはモノを手にすることに重きを置いている。
Purchaseは“Purchase Order”(注文書)というくらいですから、どちらというとビジネスの場面で使うような、固い、フォーマルな感じですね。
語源をみると、buy はドイツ語のbycgan からきているよう。いっぽうのpurchaseは、フランス語のpourchacier (獲得する)からきている。これは分解するとpour+chacier。
pourは英語のforに近い意味、そしてchacierはto chase。
(ここからは個人的なイメージですので、読み流してください)感じとしては、purchaseは、一生懸命チェイスしてそれをやっと手にする、獲得するというイメージ。一方のbuyはドイツ人がクールに、ただお金と引き換えにものをゲットしている感じがしました。
ある先生が、知合いのネイティブに聞いてみたら「?同じでしょ」という答が返ってきたとか。案外、英語が母国語の人は、言葉の定義を厳密に考えないのかもしれませんね(感覚的に違いを知っているとは思いますが)。
普段の生活の会話ではbuyを使い、仕事の場面、またはややかしこまって言うときはpurchase、とこんな理解でよろしいのではないでしょうか。
Aさん、とてもよい質問をありがとうございました。